スウェーデンのふる里へ
Lapplandの旅を終えた後、夜行列車とバスを利用してスウェーデンのふる里と言われるMora地方を訪れた。
キャンプサイト側にある湖のほとり、ウッドデッキ上に寝転がって日向ぼっこをしていると、北極圏を旅してきた事が不思議に思えてくる。
Moraの旅の途中で、間違えて小学生の送迎を兼ねたバスに乗ってしまった。少し驚いたけどバスの運転手のおばちゃんが、まあ大丈夫。と優しく微笑んでくれた。バスの窓から眺めた赤と白が基調になった町並みと青空は柔らかく、街の人達は優しくて、人との繋がりを思い出させてくれた。
北欧旅の途中、スウェーデンの作家リンドグレーンの「長靴下のピッピ」を読んでいたのだけど、子供達のはしゃぐ姿を見て原作と重ね合わせていた。旅には必ず何冊か本をもっていくのだけれど、重くても旅先にあった本を持って行くのが好きだ。
ストックホルムにて
ストックホルムまで南下すると、人の多さに圧倒され心が追いつかなかった。だからLoppisというフリーマーケットや古道具屋巡りなど、とくに観光せず街中をぶらぶらと歩いて過ごし、のんびりと心が追いつくのを待った。とくに興味はなかったのだけど、北欧雑貨のアンティークを見ていると、古くから続く北欧デザインに心奪われてしまった。さすがに高い品が多く、気軽には買えなかったけれど、気に入った品を何点か買うことが出来たのは幸運かもしれない。
ストックホルムの物価は高く、外食をためらってスーパーをウロウロしているとLapplandでおばあちゃんが売ってくれた様な丸いパンが売られていた。試しに買ってみたがとても美味しくて主食になっていた。ドイツで手に入らないのが残念だ。
ストックホルムは海が近い。海の香りをかぎながら、街中をぶらぶらとめぐり、夜をもとめてウロウロしていると、やっと心が追いついて、ドイツに戻る決心が出来た。
そんな北欧旅を終えたデニムは旅の前と表情が一変した様に感じる。デニムを織る糸の一本ずつに、北欧の自由の風が抄き込まれたからかもしれないし、ただ荒野にくたびれたのかもしれないけど、さらに良い顔になってきた気がする。
旅の前
旅の後