~ Denim 学習帖 初級編 ~

皆様こんにちは!

尾道デニムショップの岩渕です。

2019年の春ごろよりお店に立ち始め、ようやくショップに立って1年ほどになってきました。
私自身も学ぶことばかりで、やっとお店に慣れてきたところです。

これからデニムを穿きたい!いろいろ知っていきたい!という方に、
デニムをマイペースに、少しずつ好きになっていただきたくて、
お店や製造現場を訪れる中で少しずつ学んだ記録をブログにアップしていきたいと思います。

ので、我らが愛好家の諸先輩方、どうぞお見守りください。

店頭に立ち始めたころ「セルビッジ」という言葉に出会いました。
今思えば、「なんでデニムショップ店員でそんなこともしらんねん」ですけども。

セルビッジデニムは、昔のシャトル織機で織ったデニム生地のことを指します。
そもそも、セルビッジはSelvedgeと書きますが、英語の元々の意味は織の端や織物のミミ。
このミミ付きデニムがセルビッジデニム。
よくショップでデニムパンツの裾を折り返して「ふんふん」とみられる方がおられます。
つまり、ミミチェックですね。
尾道デニムのPJ001も、もちろんセルビッチデニムを使っています。
経糸(たていと)を三本挟み込んだオリジナルもの。


↑PJ001のミミ部分


↑私物のダブル幅のデニムパンツのミミ部分

昔、厳密には1950年以前のシャトル織機でできる生地は、生地幅が80センチほど。
1950年以降は、流行を受けてたくさんデニム生地を作れるよう、生地幅が約2倍のその名もダブル幅!
を、スピーディに織れる織機が台頭になりました。
より量産に適したダブル幅が生まれ、幅が広い分たくさんのデニムパンツを製造できるようになりました。
織りが早く、かつ織り目が均一で、デニム生地にストレッチ素材や速乾性を与えることができるのが特徴です。
今、手ごろな値段で機能性が高いデニムパンツがたくさん買うことができるのも、このダブル幅のおかげといえます。

で、新しいもの(ダブル幅)ができたのに、なぜセルビッチが残っているのかには理由があります。
それがデニムならではなのですが、「味」というもの。
穿きこむほどにその人の個性が落とし込まれるデニムパンツですが、よりその味わいを表現するのに適した生地がセルビッチ。
古いシャトル機で、ダブル幅と比較してゆっくり織られる生地はムラができやすく、
そのムラのある生地こそが個性あるユーズドデニムを生み出すために欠かせないそう。


白い部分と青い部分のバランスが絶妙です。


ONOMICHI DENIM / PJ001 / 酒屋 / 612B

ショップでは、それぞれ個性のある業種で働く方々のユーズドデニムを扱っていますが
その個性を映し出すためには、セルビッジデニムが適していると言えますね^^

これから穿いてくださる方には、シーズンごとの旬のシルエットを楽しむオシャレも楽しみつつ、
お気に入りのセルビッジデニムでできたパンツを少しずつ育て、
都度都度の風合いを楽しまれてはいかがでしょうか。
セルビッジデニムは服を育てる楽しみを教えてくれます◎